昭和軽合金有限会社|アルミ砂型鋳造の工匠

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PROCESS 鋳造作業工程

工匠が優れた技能を揮う、活気にあふれた昭和軽合金の工場。
高精度・高品質の製品がかたちを成していく、
そのプロセスをご紹介します。

造形

面粗度に合わせて選んだ砂を、丹精込めて木型に込める工程です。製品の仕上がりを頭に描きながら部位によって手のひらの圧力を変え、ふんわりと、そして時にはぎゅうぎゅうと砂を込めます。それぞれの砂の持ち味を最大限に機能させるための管理も、大切な工程の一部です。

組み付け

木型から砂型を抜いて上型・下型をセットする工程です。この工程で生じた誤差は製品の形状にダイレクトに反映されるため、シビアな精度が求められます。ガイドと水平器を用いて慎重に作業を行います。匠の指先に走る繊細なセンサーが、わずかな擦れも見逃さず制御します。

溶解

4基の溶解炉でアルミインゴットを溶かし、酸化物など不純物の除去をしたのち成分を整えます。その後GBFという回転脱ガス装置で、溶湯中の水素ガスを取り除きます。匠ならではの洞察力で前工程の進捗を測り、製品ごとの適正温度をピンポイントで調整します。溶湯温度は常に管理・記録され、トレーサビリティ管理に役立てられます。

試鋳

本鋳と呼ばれる本番工程を前に、砂型の精度や製品の品質を確認するためのテスト鋳造を行います。ここでは製品を切断し、カラーチェックにて内部欠陥等がないか厳しい目で確認します。改善すべき点を早期に発見することで、品質保証や納期の短縮につなげています。

本鋳

砂型の湯口から溶けたアルミを流し込みます。大物の製品では、4人の技能者が呼吸を合わせて4つの湯口から溶湯を注ぎます(4丁注ぎ)。手首の返しで量と速度を調整しながら、躊躇なく一気に注ぎ込む注湯工程は匠の腕の見せどころ。よどみなく、スムーズに注ぎ込む技が求められます。

バラシ

固まった製品を砂型から取り出す工程です。製品の形状を正確に思い描くことで、製品そのものに負圧をかけず、砂型のみをハンマーで割る繊細かつダイナミックな光景が見られます。ハンマーを握る匠の一振りは、狙った一点に適切な強さで当たり、崩れた砂型からアルミのかたちが浮かび上がります。

方案切断

製品には不要となる方案部分(湯口、湯道、押湯等)を切断し、除去します。同時に砂型や中子の境目にできたバリを製品面に合わせて削り、整えます。切り離して不要になったアルミ材は材質ごとに厳格に分別・管理され、再び溶解することで返り材として再生します。

仕上げ

「試作でも量産のような美しさ」をスローガンに、グラインダーやベルトン、サンドブラストなどを用いて製品の仕上げを行います。いくつのも工程で、いくつもの匠の手がつないできたものづくりの総仕上げ。美しさは、性能・機能の一部であるという信念を持って磨き上げます。

外観検査

仕上げの工程を終えた製品は、図面と照らし合わせながら寸法や歪みのチェックを受けます。ここで得られた情報は前後の工程にフィードバックされ、さらなる品質の向上に活かされます。ものづくりを手作業で体得してきた厳しい匠の目と手が、微細な不良も見逃しません。

出荷検査

組織調質のための熱処理を受けた製品は、非接触光学式3次元スキャナによる検査など、各種の品質確認を受けます。お客様より支給頂く3Dデータと鋳物の3Dデータを重ね合わせることで、ごくわずかでも寸法に違いがあれば、モニターに映し出された色の濃淡でオペレーターにその事実が知らされます。